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社用車は購入とリースどちらが得?減価償却とリース料の経費計上を比較

法人・個人事業主の社用車を購入とリースで比較。購入は耐用年数に沿った減価償却、リースは法人税法上の扱い(所有権移転外リースのリース期間定額法など)で経費になります。国税庁の公表資料で確認できた範囲で、経費になる時期・資金繰り・管理の手間の違いを表で整理します。適用は税理士に確認を。

公開 2026-08-20更新 2026-10-07クルマAIラボ編集部
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社用車は購入とリースどちらが得?減価償却とリース料の経費計上を比較

結論:社用車を購入してもリースしても、事業に使う分はいずれ経費になります。違いは「税金がいくら安くなるか」より、「いつ・どのペースで経費になるか」と「最初にいくら出ていくか」です。購入は取得価額を耐用年数にわたって減価償却し、リースは毎月のリース料に沿って経費化するのが基本の形です。手元資金を残して車両管理を外に任せたいならリース、長く乗って総額を抑えたい・資産として持ちたいなら購入が向きやすい、というのが判断の軸になります。

この記事では、国税庁のタックスアンサーなど公表資料で確認できた範囲で、購入とリースの税務上の扱いを整理します。実際の処理は会社の規模・契約内容・会計方針で変わるため、最終的な判断は顧問税理士に確認してください。

購入とリースの比較表

観点購入(現金・ローン)リース(ファイナンス・リース)
最初の支出現金購入は車両代と諸費用をまとめて払う。ローンは頭金と諸費用契約時の負担は小さく、毎月のリース料を払う
経費になる仕方取得価額を耐用年数にわたって減価償却する(ローンの利息は別に経費)法人税法上は「売買があったもの」とされ、所有権移転外リースはリース期間定額法で償却する。会計で賃借料として処理した額も、税務上は償却費として扱われる
経費になるペース償却方法と耐用年数で決まる。新車の普通乗用車なら6年が基準リース期間に沿って均等に経費化されるのが基本
車両の管理車検・税金・保険の手配を自社で行うメンテナンス付きの契約なら車検や税金の支払いをまとめられる(契約による)
途中でやめる場合売却すれば現金化できる(売却損益が出る)中途解約は原則できず、残りのリース料のおおむね全部を払う契約が一般的
総支払額金利・維持費を含めても、長く乗るほど1年あたりの負担は下がりやすいリース会社の手数料や金利相当が含まれるため、同じ車・同じ期間なら割高になることがある

リースの扱いは国税庁 タックスアンサーNo.5702「リース取引についての取扱いの概要」・No.5704「所有権移転外リース取引」(いずれも令和7年4月1日現在法令等)をもとにしています。

購入した場合:減価償却と耐用年数

購入した社用車は、取得価額を一度に経費にするのではなく、法定の耐用年数にわたって減価償却費として経費にしていきます。国税庁の「主な減価償却資産の耐用年数表」では、一般用の車両の耐用年数は次のとおりです。

車両の種類(一般用)耐用年数
自動車(2輪・3輪を除く)のうち小型車(総排気量0.66リットル以下=軽自動車など)4年
貨物自動車(ダンプ式)4年
貨物自動車(ダンプ式以外)5年
報道通信用のもの5年
その他の自動車(普通乗用車など)6年
2輪・3輪自動車3年

出典:国税庁「主な減価償却資産の耐用年数表」(タックスアンサーNo.2100の付表)。運送事業用など一般用以外の車両は別の区分になります。

中古車を買った場合の耐用年数

中古の車両は、法定耐用年数の一部を経過していれば「簡便法」で耐用年数を見積もれます。国税庁のタックスアンサーでは、(法定耐用年数−経過年数)+経過年数×20%で計算し、1年未満の端数は切り捨て、2年に満たない場合は2年とするとされています(出典:国税庁 タックスアンサーNo.5404「中古資産の耐用年数」)。

例)法定耐用年数6年の普通乗用車を、新車登録から4年たった中古で買った場合:(6年−4年)+4年×20%=2.8年 → 端数を切り捨てて2年。新車より短い期間で経費化が進むため、「中古車は経費化が早い」と言われるのはこの仕組みによるものです。ただし資本的支出の額などで使えない場合があるため、適用は税理士に確認してください。

リースした場合:法人税法上の扱い

法人税法では、次の要件をどちらも満たす賃貸借を「リース取引」とし、リース資産の引き渡しの時に売買があったものとして扱います(国税庁 タックスアンサーNo.5702)。

  • リース期間中の中途解約が禁止されている、または中途解約する場合に未経過期間のリース料のおおむね全部(原則90%以上)を払うこととされている
  • 借り手がリース資産の経済的な利益を実質的に受け、使用に伴う費用も実質的に負担する

このうち、リース期間終了後に車両が借り手のものになる契約などに当たらない「所有権移転外リース取引」では、償却方法がリース期間定額法とされ、少額減価償却資産の特例や特別償却などは適用されません(国税庁 タックスアンサーNo.5704)。また、国税庁が公表している法人税基本通達の趣旨説明では、借り手がリース料を賃借料として経理した場合でも、法人税法施行令第131条の2第3項により、その金額は償却費として損金経理した金額に含まれるものとされる旨が示されています(出典:国税庁「法人税基本通達等の一部改正について(平成19年12月7日付)の趣旨説明 5 リース資産の償却等」)。月々のリース料をそのまま費用にしている会社が多いのはこのためですが、リース料が均等でない契約などでは償却限度額との差の調整が必要になることがあります。

新リース会計基準への対応(令和7年度改正)

国税庁の「令和7年度 法人税関係法令の改正の概要」によると、企業会計基準委員会が令和6年9月に公表した新リース会計基準は、令和9年4月1日以後に開始する事業年度の期首から適用されます(令和7年4月1日以後開始の事業年度からの早期適用も可)。会計上は借り手のリースを原則として資産・負債に計上する形に変わりますが、税務では、オペレーティング・リース取引は引き続き賃貸借として、支払うリース料のうち債務の確定した部分を損金の額に算入することとされました。監査対象法人以外の中小企業などは、引き続き中小企業向けの会計の指針・要領に沿った処理も可能とされています(出典:国税庁「令和7年度 法人税関係法令の改正の概要」新リース会計基準に対応する改正)。自社がどちらの処理になるかは、顧問税理士・会計士に確認してください。

個人事業主の場合:事業で使う割合だけが経費

個人事業主が家族の用事やプライベートにも使う車は、購入でもリースでも、経費にできるのは事業に使った部分です。国税庁のタックスアンサーでは、家事上と業務上の両方にかかわる「家事関連費」のうち必要経費になるのは、取引の記録などに基づいて業務の遂行上直接必要であったことが明らかに区分できる場合の、その区分できる金額に限られるとされています(出典:国税庁 タックスアンサーNo.2210「必要経費の知識」)。走行の記録(日付・行き先・目的・距離)を残しておくと、事業で使った割合の根拠になります。

どちらが向いているか(判断の目安)

こんな会社・事業者向きやすい方法理由
手元資金を設備投資や運転資金に回したいリース最初の支出が小さく、支払いが毎月一定になる
台数が多く、車検・税金・保険の管理が負担リース(メンテナンス付き)支払いと手配をまとめられる(契約内容による)
1台を長く乗りつぶす購入耐用年数を過ぎても使い続けられ、1年あたりの負担が下がりやすい
走行距離が多い・架装や改造をする購入リースは走行距離の上限や原状回復の条件があることが多い
早く経費化したい中古車の購入を含めて税理士と検討簡便法の耐用年数や償却方法で経費化のペースが変わる

契約主体が個人か法人かで変わる点(消費税の扱い・審査)は個人カーリースと法人カーリースの比較で、リース・現金購入・残価設定ローンの総支払額の比べ方はカーリース vs 現金購入 vs 残価設定ローンで整理しています。

契約・購入の前に確認するチェックリスト

  • □ リース契約が中途解約不可か、解約時に残りのリース料をどう払うか
  • □ リース期間終了後に車両を買い取れる・譲り受ける条件があるか(所有権移転外かどうかに関わる)
  • □ リース料にメンテナンス・自動車税・自賠責・任意保険が含まれるか
  • □ 走行距離の上限と超過時の精算、返却時の原状回復の条件
  • □ 購入する場合の耐用年数(新車か中古か、車両の区分)と、売却時の損益の見込み
  • □ 会計処理(賃借料処理か資産計上か)を顧問税理士と決めた

よくある質問

Q. リース料は全額を経費にできますか?

A. 事業に使う車であれば、法人では月々のリース料を費用として処理するのが一般的です。ファイナンス・リース(所有権移転外)の場合、賃借料として経理した額は税務上、償却費として損金経理した金額に含まれるものとされています。ただしリース料が均等でない契約や、私的な利用がある場合の扱いは個別に異なります。個人事業主は事業で使った割合だけが経費です。具体的な処理は税理士に確認してください。

Q. 購入とリース、節税になるのはどちらですか?

A. どちらかが一律に節税になるわけではありません。どちらも事業に使う分は経費になり、違いは経費になる時期とペースです。中古車の購入は簡便法で耐用年数が短くなり早く経費化できる場合がありますが、総支払額や資金繰りも含めて判断する必要があります。

Q. 軽自動車の社用車の耐用年数は何年ですか?

A. 国税庁の耐用年数表では、一般用の自動車のうち総排気量0.66リットル以下の小型車は4年とされています。中古で買った場合は簡便法で短くなることがあります。

Q. リース中の社用車を途中で入れ替えられますか?

A. 多くのリース契約は中途解約が原則できず、解約する場合は残りのリース料のおおむね全部を払う形になります。台数や車種の入れ替えが見込まれるなら、契約前に入れ替えの条件を確認してください。

まとめ

  • 購入もリースも、事業に使う分は経費になる。違いは「いつ・どのペースで経費になるか」と「最初の支出」。
  • 購入は耐用年数(普通乗用車6年、軽自動車など4年、中古は簡便法)で減価償却。リースは法人税法上は売買とされ、所有権移転外リースはリース期間定額法で償却され、賃借料として経理した額も償却費として扱われる。
  • 新リース会計基準は令和9年4月以後開始の事業年度から適用。個人事業主は事業で使った割合のみ経費。いずれも適用は顧問税理士に確認する。
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