廃車の自動車税還付はいくら戻る?排気量・月別の早見表と申請タイミング
普通車を廃車(抹消登録)すると自動車税は月割りで還付されます(軽自動車税は対象外)。抹消の月と還付額の早見表、重量税・自賠責が戻る条件、業者代行で還付金を取りこぼさないコツ、3月末に急ぐべきかまで、還付を最大化する手続きの流れを具体例つきで解説します。

廃車の相談で最も見落とされるのが「税金の還付」です。廃車のやり方だけ調べて手続きを終え、いつ・どの税金が・いくら戻るかを知らないまま数千〜数万円を取りこぼす人は珍しくありません。この記事を読めば、「自分の場合いくら戻り、いつ・どこへ申請すればよいか」が判断できるようになります。業者選びではなく還付の仕組みと最適な申請タイミングに絞って解説します。
結論:戻るのは3つの税金。基本形はこれだけ
まず全体像を押さえましょう。廃車で戻る可能性があるのは次の3つです。
| 税金・費用 | 戻る条件 | 金額の目安 |
|---|---|---|
| 自動車税(種別割) | 普通車を年度途中に抹消登録 | 抹消翌月〜3月の月割り |
| 自動車重量税 | 解体を伴う永久抹消+車検残あり | 車検残存期間分 |
| 自賠責保険料 | 保険期間を1か月以上残して解約 | 残存期間分(税ではなく保険) |
ポイントは「軽自動車は自動車税(軽自動車税)の月割還付がない」こと。普通車と軽で扱いが違う点が最初のつまずきどころです(出典:東京都主税局「自動車税|自動車と税金」、軽自動車税の例として金沢市「年度の途中で廃車手続きをしたら税金は月割りで戻りますか?」)。以下で1つずつ見ていきます。
自動車税は「抹消した月」で戻る額が大きく変わる
自動車税(種別割)は毎年4月1日時点の所有者に1年分が課され、年度の途中で永久抹消登録・一時抹消登録をすると、抹消の翌月から年度末(3月)までの残り月数分が月割りで還付されます。
計算式:年額 ÷ 12 × 抹消翌月から3月までの月数
例)年額39,500円(総排気量1.5〜2.0Lクラスの一般的な区分)の普通車を8月に抹消した場合、還付対象は9月〜3月の7か月分。39,500 ÷ 12 × 7 ≒ 約23,000円が戻る目安です。同じ車を2月に抹消すると対象は3月の1か月分のみで、約3,300円しか戻りません。同じ車でも抹消の月が違うだけで2万円近い差が生まれます。
| 抹消した月 | 還付対象月数 | 還付の傾向 |
|---|---|---|
| 5〜7月 | 8〜10か月 | 還付が大きい |
| 10〜12月 | 3〜5か月 | 中程度 |
| 2〜3月 | 0〜1か月 | ほぼ戻らない |
※税額は自治体・年式・排気量・グリーン化特例の適用で変わります。上記は考え方を示す一例で、正確な額はお住まいの都道府県の通知・公式情報でご確認ください。
排気量別・抹消月別の還付額早見表(自家用乗用車)
「自分の車だといくら戻るか」を一目で確認できるよう、総排気量ごとの年額と、抹消した月ごとの還付額の目安をまとめました。自動車税の税率は初度登録(新車登録)が2019年10月1日以降か、それより前かで異なるため、車検証の「初度登録年月」で表を選んでください。
2019年10月1日以降に初度登録した車
| 総排気量 | 年額 | 5月抹消 (10か月分) | 7月抹消 (8か月分) | 9月抹消 (6か月分) | 11月抹消 (4か月分) | 1月抹消 (2か月分) | 2月抹消 (1か月分) |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1.0L以下 | 25,000円 | 20,800円 | 16,600円 | 12,500円 | 8,300円 | 4,100円 | 2,000円 |
| 1.0L超〜1.5L以下 | 30,500円 | 25,400円 | 20,300円 | 15,200円 | 10,100円 | 5,000円 | 2,500円 |
| 1.5L超〜2.0L以下 | 36,000円 | 30,000円 | 24,000円 | 18,000円 | 12,000円 | 6,000円 | 3,000円 |
| 2.0L超〜2.5L以下 | 43,500円 | 36,200円 | 29,000円 | 21,700円 | 14,500円 | 7,200円 | 3,600円 |
| 2.5L超〜3.0L以下 | 50,000円 | 41,600円 | 33,300円 | 25,000円 | 16,600円 | 8,300円 | 4,100円 |
| 3.0L超〜3.5L以下 | 57,000円 | 47,500円 | 38,000円 | 28,500円 | 19,000円 | 9,500円 | 4,700円 |
| 3.5L超〜4.0L以下 | 65,500円 | 54,500円 | 43,600円 | 32,700円 | 21,800円 | 10,900円 | 5,400円 |
| 4.0L超〜4.5L以下 | 75,500円 | 62,900円 | 50,300円 | 37,700円 | 25,100円 | 12,500円 | 6,200円 |
| 4.5L超〜6.0L以下 | 87,000円 | 72,500円 | 58,000円 | 43,500円 | 29,000円 | 14,500円 | 7,200円 |
| 6.0L超 | 110,000円 | 91,600円 | 73,300円 | 55,000円 | 36,600円 | 18,300円 | 9,100円 |
2019年9月30日以前に初度登録した車
| 総排気量 | 年額 | 5月抹消 (10か月分) | 7月抹消 (8か月分) | 9月抹消 (6か月分) | 11月抹消 (4か月分) | 1月抹消 (2か月分) | 2月抹消 (1か月分) |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1.0L以下 | 29,500円 | 24,500円 | 19,600円 | 14,700円 | 9,800円 | 4,900円 | 2,400円 |
| 1.0L超〜1.5L以下 | 34,500円 | 28,700円 | 23,000円 | 17,200円 | 11,500円 | 5,700円 | 2,800円 |
| 1.5L超〜2.0L以下 | 39,500円 | 32,900円 | 26,300円 | 19,700円 | 13,100円 | 6,500円 | 3,200円 |
| 2.0L超〜2.5L以下 | 45,000円 | 37,500円 | 30,000円 | 22,500円 | 15,000円 | 7,500円 | 3,700円 |
| 2.5L超〜3.0L以下 | 51,000円 | 42,500円 | 34,000円 | 25,500円 | 17,000円 | 8,500円 | 4,200円 |
| 3.0L超〜3.5L以下 | 58,000円 | 48,300円 | 38,600円 | 29,000円 | 19,300円 | 9,600円 | 4,800円 |
| 3.5L超〜4.0L以下 | 66,500円 | 55,400円 | 44,300円 | 33,200円 | 22,100円 | 11,000円 | 5,500円 |
| 4.0L超〜4.5L以下 | 76,500円 | 63,700円 | 51,000円 | 38,200円 | 25,500円 | 12,700円 | 6,300円 |
| 4.5L超〜6.0L以下 | 88,000円 | 73,300円 | 58,600円 | 44,000円 | 29,300円 | 14,600円 | 7,300円 |
| 6.0L超 | 111,000円 | 92,500円 | 74,000円 | 55,500円 | 37,000円 | 18,500円 | 9,200円 |
※年額×還付月数÷12で計算し、100円未満を切り捨てた目安です。初度登録から13年を超えたガソリン車などは税率が重くなる(重課)ため、上表より還付額が大きくなります。グリーン化特例の適用車や、営業用・貨物車は税額が異なります。正確な還付額は都道府県から届く還付通知書で確認してください。
自動車税を滞納(未納)したまま廃車するとどうなる?
未納の自動車税があっても、抹消登録の手続き自体は進められる場合があります。ただし還付金が発生しても、まず未納分(延滞金を含む)に充てられ、残りがあるときだけ戻ってくるのが基本です。未納のまま放置すると延滞金が増え、督促や差し押さえに進むこともあるため、廃車とあわせて納付を済ませておくのが安全です。
なお、廃車ではなく買取や下取りで売却する場合は、名義変更になるため自動車税の還付制度の対象になりません。売却時の自動車税の扱いは自動車税は売却で戻る?下取り・買取・廃車での還付の違いで詳しく解説しています。
「3月末が近いなら急ぐべき?」の考え方
3月末が近づくと「4月1日をまたぐ前に抹消すべきか」と迷います。判断の軸はシンプルで、4月1日を過ぎると新年度の1年分が丸ごと課税される点です。乗る予定がなく手放すことが決まっているなら、3月中に抹消できれば翌年度の課税を回避できます。ただし解体や書類の準備には日数がかかるため、「3月下旬に思い立って即日抹消」は現実的でないことも。手放すと決めたら早めに段取りを始めるのが安全です。
重量税が戻るのは「解体を伴う永久抹消」だけ
自動車重量税は、車検の残存期間があり解体を伴う永久抹消登録をした場合に、残存期間分が還付されます。ここでよくある誤解が「一時抹消でも戻る」というもの。一時抹消(解体しない・後で再登録できる状態)では重量税は戻りません。還付申請は永久抹消と同時に行うのが基本です。
手続きの流れと申請先
- ナンバープレート・車検証・印鑑(普通車は印鑑証明・実印)を用意
- 運輸支局(軽は軽自動車検査協会)で抹消登録
- 永久抹消なら重量税還付申請書を同時提出
- 自賠責は保険会社に解約を申し出て残存分を請求
- 自動車税還付は数か月後に「還付通知書」が郵送 → 指定口座または郵便局窓口で受取
還付通知書は登録上の住所へ郵送されます。引っ越し後で住所が古いと通知が届かず、受け取り損ねることがあるため、送付先住所は最新にしておきましょう。
【最重要】業者代行では「還付金の受取人」を必ず契約で確認
廃車業者に手続きを代行してもらう場合、還付金を業者が受け取る契約になっているケースがあります。「廃車費用0円・レッカー無料」をうたう業者の中には、その原資として還付金を充当している場合があるためです。これ自体が悪いわけではありませんが、「還付金は自分で受け取る/買取額に含む/業者が受け取る」のどれなのかを契約前に確認しないと、戻ると思っていた数万円が手元に来ないという行き違いが起きます。
還付を含めて総額いくら手元に残るかで業者を比較するのが、損をしない考え方です。廃車と買取の損得は廃車・下取り・買取の状況別選択チャートもあわせてご覧ください。
取りこぼさないためのチェックリスト
- □ 抹消は「永久抹消」か「一時抹消」か(重量税還付の可否が変わる)
- □ 車検残があるか(重量税還付は車検残が前提)
- □ 自賠責の解約・残存分請求を保険会社に申し出たか
- □ 自動車税還付の受取人は自分か業者か、契約で確認したか
- □ 還付通知書の送付先住所は最新か
- □ 3月末が近い場合、翌年度課税前に抹消できるか段取りを確認したか
よくある質問
Q. 軽自動車でも自動車税は戻りますか?
A. 軽自動車税には月割還付の制度がなく、年度途中で廃車しても自動車税分は戻りません。重量税(解体を伴う永久抹消・車検残あり)と自賠責の残存分は普通車同様に戻る可能性があります。
Q. ローンが残っている車でも還付は受けられますか?
A. 車検証の所有者がローン会社(信販会社)になっている「所有権留保」の場合、抹消手続き自体に所有者の承諾が必要です。まず残債処理と所有権解除の段取りを確認してください。
Q. 自動車税を滞納していても廃車できますか?
A. 抹消登録は進められる場合がありますが、還付金はまず未納分(延滞金を含む)に充てられます。残りがあるときだけ戻るため、納付を済ませてから手続きするほうが受取額を把握しやすくなります。
Q. 還付金はいつ振り込まれますか?
A. 自動車税還付は抹消後おおむね数か月で通知書が届きます。自治体により時期が前後するため、届かない場合は管轄の都道府県税事務所に問い合わせましょう。
Q. 事故車・不動車でも還付は受けられますか?
A. 受けられます。抹消登録さえ行えば車の状態は還付の可否に関係しません。不動車の売り方・廃車の判断は事故車・不動車の売り方ガイドを参照してください。
まとめ
廃車の還付は「自動車税=普通車のみ月割りで戻る/重量税=解体を伴う永久抹消で戻る/自賠責=残存分が戻る/軽の自動車税=戻らない」が基本形です。自動車税は抹消の月が早いほど還付が大きく、同じ車でも数万円の差が出ます。業者代行時は還付金の受取人確認が最重要で、抹消と還付申請を同時に済ませることが取りこぼしを防ぐコツ。手放すと決めたら早めに段取りを始めましょう。関連記事として廃車の基本手続きと費用の全体像、急ぎで廃車したいときの進め方、還付金の案内や引取料の対応で選ぶなら廃車買取業者の選び方と確認点もあわせてどうぞ。
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