車の委任状・譲渡証明書の書き方|実印と認印の違い・記入ミス例
車の売却・名義変更で使う委任状と譲渡証明書の書き方を、記入項目ごとの要点で解説。普通車は実印、軽自動車は認印で足りるといった違い、印鑑証明書との表記ずれや白紙委任などのよくある記入ミスと防ぎ方を整理します。様式は提出先で確認を。

車を売るときに記入する委任状は「名義変更の手続きを買取店などに任せます」という書類、譲渡証明書は「この車をこの人に譲りました」という書類です。普通車ではどちらにも実印を押し、印鑑登録証明書と照合されます。軽自動車は委任状にあたる「申請依頼書」に認印で足りるのが一般的で、譲渡証明書は原則不要です。
用紙は買取店が用意することがほとんどなので、売主の仕事は「正しく書いて、正しく押す」ことです。この記事では、2つの書類の役割、記入項目ごとの要点、よくある記入ミスを整理します。売却時に用意する書類の全体像は車売却の必要書類一覧を確認してください。
委任状と譲渡証明書の違い
| 項目 | 委任状 | 譲渡証明書 |
|---|---|---|
| 何のための書類か | 本人に代わって手続きする人(受任者)に、申請を任せることを示す | 車の所有権を誰から誰へ譲ったかを示す |
| いつ必要か | 本人以外が窓口で手続きする場合 | 売買・譲渡で所有者が変わる場合(普通車) |
| 普通車での押印 | 新旧所有者とも実印(印鑑登録証明書と照合) | 譲渡人(旧所有者)は実印 |
| 軽自動車の場合 | 「申請依頼書」を使い、認印で足りるのが一般的(署名でよい様式もある) | 原則不要 |
| 様式の入手先 | 運輸支局の窓口、国土交通省のサイト、買取店 | 運輸支局の窓口、国土交通省のサイト、買取店 |
実印と認印:どの書類にどの印鑑を押すか
| 書類 | 普通車・売主 | 普通車・買主 | 軽自動車・売主 |
|---|---|---|---|
| 委任状/申請依頼書 | 実印(代理人が申請する場合) | 実印(代理人が申請する場合) | 認印(署名で足りる様式もある) |
| 譲渡証明書 | 実印 | 押印なし(譲受人として氏名・住所を記載) | 原則不要 |
| 印鑑登録証明書 | 必要(発行後3か月以内) | 必要(発行後3か月以内) | 不要 |
普通車の移転登録では、委任状は代理人が申請する場合に限り必要で、新旧所有者とも実印を押します。新旧所有者本人が直接申請する場合は、移転登録申請書に実印を押します(出典:国土交通省 自動車検査登録総合ポータルサイト「車を売買等により名義変更するために必要な書類」、2026年10月7日確認)。押印の要否や様式は見直されることがあります。最新の様式で、提出先(運輸支局・軽自動車検査協会・買取店)の指示に従ってください。
委任状の書き方(記入項目ごとの要点)
| 記入項目 | 書き方の要点 |
|---|---|
| 受任者(代理人) | 買取店の名称・住所など。買取店側で記入・指定することが多い |
| 委任する内容 | 「移転登録」など、任せる手続きに印を付ける・記入する。範囲が分からなければ買取店に確認 |
| 委任者(本人)の氏名・住所 | 印鑑登録証明書の表記どおりに書く。番地の書き方(「1-2-3」か「1丁目2番3号」か)や旧字体もそろえる |
| 押印 | 普通車は実印。欠け・かすれのないよう鮮明に |
| 日付 | 記入日を書く。空欄のまま渡さない |
| 車両の情報 | 登録番号(ナンバー)や車台番号を車検証どおりに。欄がない様式もある |
譲渡証明書の書き方(記入項目ごとの要点)
| 記入項目 | 書き方の要点 |
|---|---|
| 車名・型式・車台番号・原動機の型式 | 車検証からそのまま転記する。車台番号の1文字違いは差し戻しの原因になりやすい |
| 譲渡年月日 | 実際に譲り渡した日。買取店の指示がある場合は従う |
| 譲渡人(旧所有者) | 印鑑登録証明書の表記どおりの氏名・住所+実印 |
| 譲受人(新所有者) | 買取店や買主の氏名・名称・住所。買取店が記入することが多い |
車検証の住所と印鑑登録証明書の住所が違う場合(引っ越し後など)は、委任状・譲渡証明書は印鑑登録証明書に合わせて書き、つながりを示す住民票などを別に添えます。追加書類は必要書類一覧の状況別早見表で確認できます。
家族や知人に無償で譲る場合も、普通車では同じ譲渡証明書を使い、譲渡人が実印を押します。もらう側の名義変更や贈与税の確認は家族・知人から車をもらう手続きを参照してください。
よくある記入ミスと防ぎ方
| ミスの例 | 何が起きるか | 防ぎ方 |
|---|---|---|
| 住所を車検証の旧住所で書いた | 印鑑登録証明書と一致せず差し戻し | 氏名・住所は印鑑登録証明書に合わせる |
| 普通車なのに認印を押した | 印鑑登録証明書と照合できず受理されない | 押す前に印影を印鑑登録証明書と見比べる |
| 印影が欠けた・かすれた | 照合できず書き直し | 朱肉を付け直し、平らな場所でまっすぐ押す |
| 修正液・修正テープで直した | 受理されないおそれ | 二重線+訂正印(押した印と同じ印)か、新しい用紙に書き直す |
| 受任者欄・日付を空欄で渡した(白紙委任) | 意図しない手続きに使われる余地が残る | どの手続きを誰に任せるかを確認してから渡す。控えを撮影しておく |
| 車台番号を書き間違えた | 別の車の書類扱いになり差し戻し | 車検証を見ながら1文字ずつ転記する |
買取店から「捨印」(欄外に押す印。軽微な訂正を相手に任せる意味がある)を求められることがあります。何のための押印か分からない場合は、押す前に説明を求めましょう。
よくある質問
Q. 委任状の用紙はどこでもらえますか?
買取店に売る場合は買取店が用意するのが一般的です。自分で手続きする場合は運輸支局の窓口や国土交通省のサイトで様式を入手できます。軽自動車の申請依頼書は軽自動車検査協会の窓口・サイトで入手できます。
Q. 家族が代わりに書いてもよいですか?
委任状・譲渡証明書は本人の意思を示す書類なので、本人が記入・押印するのが原則です。本人が書けない事情がある場合の扱いは提出先で異なるため、事前に相談してください。名義人が亡くなっている場合は委任状ではなく、相続の手続きが必要になります。
Q. 軽自動車でも委任状は必要ですか?
軽自動車では「申請依頼書」が委任状の役割を果たし、本人以外が手続きする場合に使います。認印で足りるのが一般的で、署名でよい様式もあります。名義変更の全体の流れは車の名義変更の手続きで解説しています。
Q. ローンが残っている車の譲渡証明書は誰が書きますか?
車検証の所有者が信販会社やディーラーの場合、譲渡証明書を書くのは所有者である信販会社側です。残債を清算したうえで所有権解除の書類を出してもらいます。詳しくはローンが残っている車を売る方法を参照してください。
まとめ
- 委任状は「手続きを任せる」書類、譲渡証明書は「車を譲った」ことを示す書類です。
- 普通車の売主は両方に実印を押し、氏名・住所は印鑑登録証明書の表記に合わせます。軽自動車は申請依頼書に認印で足りるのが一般的です。
- 空欄のまま渡す、修正液で直す、印影がかすれる、といったミスを避けましょう。様式・押印の要否は改定されることがあるため、提出先の最新の案内で確認してください。
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